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PMTCの目的

今回はPMTCについてのお話したいと思います。
歯科治療が完了した後も、健康な状態を維持していくには、ご自分でしっかりとブラッシングをしていただく必要があります。しかしブラッシングを完璧に行うことは難しく、気が付かないうちに磨き残しがあったりします。特に歯間、被せもの周りなどは、問題が発生しやすいところです。
PMTCとは、「Professional(専門家が行なう) Mechanical(機械的な)Tooth(歯の)Cleaning(クリーニング)」のことで、専門家がさまざまな器具とフッ化物入りペーストを用いて、すべての歯面とその周辺のプラーク(歯垢)を除去する方法です。

PMTCの目的は

①バイオフィルムの除去
② 着色の除去
③ エナメル質の滑沢化
④ 患者さんに歯のツルツル、口のさっぱり感を認識してもらい、予防に対する意識を強化すること

バイオフィルム成熟まで

ペリクル(acquired pellicle)または獲得被膜ともいいます。歯の表面に直接接触して形成される1~10μmの唾液由来のタンパク性被膜で、無細胞、無細菌、無定形であるといわれています。唾液中の糖タンパク(ムチンなど)が静電気的にハイドロキシアパタイトに吸着する結果形成されるものです。
歯のエナメル質を酸による脱灰から守る保護作用、及び初期脱灰で生じたカルシウムやリン酸イオンの拡散を防ぎ、再石灰化の促進作用などがある反面、細菌の初期付着の足がかりともなります。
日常的なブラッシングでは除去することはできませんが、研磨剤を用いた機械的歯面清掃(PMTC)によって除去することができます。
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ペリクルを除去したエナメル質を唾液に接触させると、およそ60分でペリクルが形成されるといわれています。
このペリクルを構成する特定のタンパク質に口腔常在菌が付着し、コロニーを形成します。この初期定着群は無害なことが多いです。
その後、初期定着菌群の表層に付着する細菌が定着・増殖していき、初期定着菌群の代謝産生物を栄養源として代謝を続け増殖します(後期定着菌群)。
これが成熟していくと、病原性の高いバイオフィルムとなり、唾液や抗菌物質からも守られ、細菌の生息しやすい環境に分布も変化していき、通常は共存できないような多種多様な細菌の共存が可能になってしまうのです。
バイオフィルムを破壊することにより、細菌の力を弱め、虫歯や歯周病になりにくい環境になります。
バイオフィルムは3ヶ月~4ヶ月でまた再生されてしまいます。
定期的な検診・PMTCを行い、虫歯・歯周病から大切な歯を守っていきましょう。

歯科医師 山本

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