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カテゴリ: 歯周病

歯周病菌+キラーストレス=突然死?

2016年6月18日土曜日夜9時に放送されたNHKスペシャル「キラーストレス」の第1回をご覧になりましたか?

私たちが普段生活をするうえで必ず付き合うことになる「ストレス」が、場合によっては「キラーストレス」となり、私たちを死に至らしめるという事実やそのメカニズム、対策法などを紹介しました。

ストレスホルモンと扁桃体

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ワシントン大学の研究によると、人間はストレス下に置かれると脳にある恐怖や不安を感じたときに活動する「扁桃体」が反応し、その反応が身体のさまざまな箇所にも波及します。

例えば、腎臓からはストレスホルモンが分泌されて心拍数が増えます。さらに血液も固まりやすくなったり、自律神経が興奮して血圧が上昇したりします。
これがいわゆる「ストレス反応」です。

複数のストレスとストレスホルモン

ストレスが一度に複数重なると「キラーストレス」となり、私たちの身体は変調をきたします。
例えば、複数のストレスホルモンが体内に大量に蓄積され、心拍数が増えて血圧が異常に高くなると、その結果、脳血管が耐えきれずに破裂し脳出血を起こします。
心臓の筋肉には多くの血液が流れ動いています。
ストレスホルモンで興奮状態に陥ると、誤って心臓の血管が締めあげられ心臓が動かなくなってしまい、その結果、心不全を招きます(エモリー大学ヴィオラバッカリノ教授)。

ストレスによる心身への負荷は、がん細胞を増殖させるという研究も報告されています。
オハイオ州立大学ソンウィンハイ教授の研究チームは、ストレスホルモンで働き始める「ATF3遺伝子」と呼ばれる免疫に関わる遺伝子に注目しています。
同遺伝子は普段、免疫細胞内で「スイッチoff」の状態で眠っています。
ストレスホルモンが増え、免疫細胞を刺激しはじめると「スイッチon」の状態になります。
すると免疫細胞ががん細胞の攻撃をやめてしまい、がん細胞が増殖しやすくなります。ストレスホルモンが減れば、スイッチoffの状態になって免疫細胞が再びがん細胞を攻撃しますが、恒常的にストレスホルモンが多い状態だと、がん細胞の増殖に歯止めがきかなくなるとのことです。

歯周病菌が血管を壊す殺人細菌に?

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さらにストレスの恐怖は健康な人にも忍び寄ります。
ニューヨーク州立大学ビンガムトン校デイビット・デイビス教授らの研究チームによると、動脈硬化の人の血管を調べたところ、血管の壁から本来居るはずのない「口の中の細菌」が居たのです。
歯茎の出血などで血管内に侵入し体全体を巡るとともに血管の一部に住み着くのです。

通常は、細菌が血管内に入っても一過性のものですぐに排除されますが、何らかの原因で定着することがあります。

1.通常は細菌が住み着いても命に影響することはないが
2.脳の扁桃体と副腎から発するストレスホルモンが血液中に流れ
3.それによって血液中の鉄分が切り離される
4.この鉄分を栄養にして住み着いた細菌が大繁殖し、血管の壁を破って大出血を起こす
5.これが脳なら「脳出血」、大動脈などの重要な血管で起これば大出血により突然死に至る

ストレスが関係する病気

糖尿病
じんましん・アレルギー
胃炎
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
脳卒中・心筋梗塞
エコノミークラス症候群
うつ病

さらに扁桃体は、昇進・昇格や結婚などといった環境の変化にも影響します。
普通ならば喜ばしいこともストレスになりかねないのです。

ストレス対策には

アメリカ心理学会では

1.ストレスの原因を避ける
2.運動
3.笑う
4.サポートを得る
5.メディテーション

などの対策法法を挙げています。
その中でも興味深いものとして、運動があります。

運動で脳の構造を変える?

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カナダのウエスタンオンタリオ大学の研究によると、運動をすると扁桃体と自律神経をつなぐ延髄と呼ばれる神経細胞に変化が見られるとのことです。

運動をしないと延髄の神経細胞の突起が増え、扁桃体の情報が延髄を介して自律神経に過剰に伝わり、興奮につながります。

運動をすると突起が減るため、ストレスに扁桃体が反応しても自律神経に伝わりにくくなります。
延髄を経由して副腎からストレスホルモンが分泌されるため、ストレスホルモンの低減も期待できるとしています。

どれくらいの運動をすればよい?

延髄の神経細胞の変化を持続させるためには、定期的に運動をすることが必要になります。
その運動量は、
「少し息が上がる程度のウォーキングなどの有酸素運動を30分、週3回」
で大丈夫です。
普段より速く歩くことも同等の効果が期待できます。

私たち歯科医師にできることは?

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「血管に侵入した歯周病菌+キラーストレス→大出血して突然死」を予防する意味でも、まずは血管に歯周病菌が侵入するほど放っておかないようにメインテナンスを行うことが重要だと考えます。
これまでメインテナンスをう蝕や歯周病の再発予防ということで口腔内に限って考えがちだったのですが、これからは予防医学としても歯科が重要なポジションにあるということなのだと思います。

歯科医師 梶永佳奈代

 カテゴリ:歯周病

お口の健康と体の健康

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こんにちは。
寒い日が続いていますね。
先日朝のテレビで、お口の健康と体の健康はつながっているという特集が放送されていました。
また、同じ日に院長に「細菌学」と「歯科栄養学」について教えていただいたので、簡単にご紹介したいと思います。

虫歯や歯周病の原因となる細菌が血液に入ると、血管の内膜にプラークを作り、「歯原性菌血症」という病気を引き起こすことが今日わかっています。
これによって血流が悪くなり、その血管により酸素や栄養が送られている心臓や脳に影響を与え、動脈硬化・心臓血管疾患・糖尿病・脳血管疾患などの原因となることがわかってきています。
毎日の丁寧なブラッシングや定期的なクリーニングで、お口の中にプラークを蓄積させないことが重要です。
ブラッシングの方法にもコツがありますので、もし興味がございましたら、是非聞いてくださいね!

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また、テレビのCMでも聞いたことがあるかもしれませんが、〝病気というほどではないが健康状態が悪く病気に向かいつつある状態″と言われる「未病」の対応も今日、重要視されてきています。
以上のような歯原性菌血症や未病を予防するために、医科とは違う歯科の観点から考える「歯科栄養学」によると、以下の食品が効果的と言われているそうですので簡単にご紹介させていただきます。

カテキン類

緑茶に含まれていて、歯周病菌や虫歯菌に対抗する効果があると言われています。

抗酸化物質

抗酸化物質であるビタミンC、ビタミンE、αカロテンやβカロテン(人参、かぼちゃなどの緑黄色野菜)含む食品は歯周病を予防すると言われています。

オメガ3脂肪酸

青魚をはじめ、シソ油、くるみ、緑黄色野菜、豆類などに含まれています。歯周病を予防すると言われています。

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毎日の丁寧なブラッシングや定期的なクリーニングでお口の中にプラークを溜めないことに加えて、歯科栄養学の観点から、効果的な食品を少し頭の片隅にでも置いていただき、多方面からお口の健康、体の健康につながればいいなと思います。

歯科衛生士 倉田孝子

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虫歯や歯周病も感染症!

F1000023.JPGこんにちは。朝晩はだいぶ寒くなってきましたね。
先日、早速インフルエンザの予防接種に行ってきました。
注射の後の絆創膏がくまモンだったので、とても楽しい気分になりました。

ところで、インフルエンザと言えば感染症だということは、皆さんご存知のことと思います。
では虫歯や歯周病はどうでしょう?
実は、虫歯や歯周病も原因菌の感染によって起きる、立派な感染症なのです。
その証拠に、赤ちゃんのお口の中には虫歯や歯周病の原因菌はいません。

では、一体赤ちゃんに虫歯や歯周病の原因菌を誰がどこでうつすのでしょう。

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虫歯の原因菌は、歯が萌えはじめてから3歳くらいまでの間に親や保育者から感染します。
口腔内の虫歯の原因菌の割合は幼児期に決定するので、大人になってから虫歯の原因菌と接触があっても、感染し定着することはほとんどありません。
なので、幼児期までに虫歯の原因菌の感染を防ぐことができれば、虫歯になるリスクをかなり低く抑えられます。

ところが歯周病の原因菌は虫歯の原因菌と比べると、大人になっても常に感染するリスクがあります。

では、感染を防ぐにはどうしたらいいでしょうか。

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まずは接触による感染リスクを減らします。
3歳までの間はキスや食べ物の口移し、食器の共用、回し飲みなどをしていませんか?
またお母さんの歯をきれいにするだけで、赤ちゃんの歯を虫歯から守ることができたという試みもあります(1994年スウェーデン)。
3歳までは気をつけることができるとしても、既にお子さんが3歳を過ぎていたり、夫婦やパートナー間の接触による感染を防ぐことは非常に困難です。

次にできることは、虫歯や歯周病の原因となる細菌の量を抑えることです。
菌の量を抑える方法として有効的な方法が、毎日の正しい歯磨きによるセルフケア、定期検診やPMTCなどプロによるケアです。
正しい歯磨きって実は意外と大変で難しいんです。歯磨きの仕方、大丈夫でしょうか?

気になることがあれば、一度ご相談ください。
一緒に虫歯の原因菌や歯周病の原因菌から歯を守りましょう。

歯科医師 梶永

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