アーカイブ: 11月 2014

PMTCの目的

今回はPMTCについてのお話したいと思います。
歯科治療が完了した後も、健康な状態を維持していくには、ご自分でしっかりとブラッシングをしていただく必要があります。しかしブラッシングを完璧に行うことは難しく、気が付かないうちに磨き残しがあったりします。特に歯間、被せもの周りなどは、問題が発生しやすいところです。
PMTCとは、「Professional(専門家が行なう) Mechanical(機械的な)Tooth(歯の)Cleaning(クリーニング)」のことで、専門家がさまざまな器具とフッ化物入りペーストを用いて、すべての歯面とその周辺のプラーク(歯垢)を除去する方法です。

PMTCの目的は

①バイオフィルムの除去
② 着色の除去
③ エナメル質の滑沢化
④ 患者さんに歯のツルツル、口のさっぱり感を認識してもらい、予防に対する意識を強化すること

バイオフィルム成熟まで

ペリクル(acquired pellicle)または獲得被膜ともいいます。歯の表面に直接接触して形成される1~10μmの唾液由来のタンパク性被膜で、無細胞、無細菌、無定形であるといわれています。唾液中の糖タンパク(ムチンなど)が静電気的にハイドロキシアパタイトに吸着する結果形成されるものです。
歯のエナメル質を酸による脱灰から守る保護作用、及び初期脱灰で生じたカルシウムやリン酸イオンの拡散を防ぎ、再石灰化の促進作用などがある反面、細菌の初期付着の足がかりともなります。
日常的なブラッシングでは除去することはできませんが、研磨剤を用いた機械的歯面清掃(PMTC)によって除去することができます。
img
ペリクルを除去したエナメル質を唾液に接触させると、およそ60分でペリクルが形成されるといわれています。
このペリクルを構成する特定のタンパク質に口腔常在菌が付着し、コロニーを形成します。この初期定着群は無害なことが多いです。
その後、初期定着菌群の表層に付着する細菌が定着・増殖していき、初期定着菌群の代謝産生物を栄養源として代謝を続け増殖します(後期定着菌群)。
これが成熟していくと、病原性の高いバイオフィルムとなり、唾液や抗菌物質からも守られ、細菌の生息しやすい環境に分布も変化していき、通常は共存できないような多種多様な細菌の共存が可能になってしまうのです。
バイオフィルムを破壊することにより、細菌の力を弱め、虫歯や歯周病になりにくい環境になります。
バイオフィルムは3ヶ月~4ヶ月でまた再生されてしまいます。
定期的な検診・PMTCを行い、虫歯・歯周病から大切な歯を守っていきましょう。

歯科医師 山本

 カテゴリ:ブラッシング, 予防歯科 and tagged , ,

ニモと歯科医院

近頃寒くなってきましたね。
朝晩は特に寒くなってきましたので、風邪をひかないように気を付けたいと思います。

新しい映画ではないですが、先日「ファインディング・ニモ」を見ました。
20141126_01

噂で歯科医院が出てくるとの話を聞いていましたが、なかなか見る機会がなかったのです。
レンタルビデオ店の年会費更新で、1本レンタル無料券をもらいました。
良い機会なので、レンタルしたわけです。

あらすじはご存じの方が多いと思いますので、歯科医院の登場する場面の話をしたいと思います。
20141126_02

一言でいえば、とても忠実に描かれています。
例えば、機材の名前が出てきます。
歯の神経の治療場面では、HファイルやKファイル。
20141126_03

抜歯の場面ではヘーベル。
正しく歯科用語が使われていました。
このように、自分の仕事について非常に研究されている映画を目にすると、他の部分についてもよく出来ているのだろうなぁ…。と考えさせられました。
最後に、姪っ子のダラーが矯正治療をしていましたね。
ブラケットとヘッドギアーが併用されていました。
20141126_04

日本ではもう少し目立たない種類の治療が多いですね。
当医院では矯正治療もおこなっています。
ご興味のある方はご相談ください。

歯科医師 海老原

 カテゴリ:矯正歯科 and tagged , ,

虫歯や歯周病も感染症!

F1000023.JPGこんにちは。朝晩はだいぶ寒くなってきましたね。
先日、早速インフルエンザの予防接種に行ってきました。
注射の後の絆創膏がくまモンだったので、とても楽しい気分になりました。

ところで、インフルエンザと言えば感染症だということは、皆さんご存知のことと思います。
では虫歯や歯周病はどうでしょう?
実は、虫歯や歯周病も原因菌の感染によって起きる、立派な感染症なのです。
その証拠に、赤ちゃんのお口の中には虫歯や歯周病の原因菌はいません。

では、一体赤ちゃんに虫歯や歯周病の原因菌を誰がどこでうつすのでしょう。

a0fb1057f89f304fdd3c75dbc0a874cc_s

虫歯の原因菌は、歯が萌えはじめてから3歳くらいまでの間に親や保育者から感染します。
口腔内の虫歯の原因菌の割合は幼児期に決定するので、大人になってから虫歯の原因菌と接触があっても、感染し定着することはほとんどありません。
なので、幼児期までに虫歯の原因菌の感染を防ぐことができれば、虫歯になるリスクをかなり低く抑えられます。

ところが歯周病の原因菌は虫歯の原因菌と比べると、大人になっても常に感染するリスクがあります。

では、感染を防ぐにはどうしたらいいでしょうか。

259a3d5ebbc41ab2ade11dcf7762e854_s

まずは接触による感染リスクを減らします。
3歳までの間はキスや食べ物の口移し、食器の共用、回し飲みなどをしていませんか?
またお母さんの歯をきれいにするだけで、赤ちゃんの歯を虫歯から守ることができたという試みもあります(1994年スウェーデン)。
3歳までは気をつけることができるとしても、既にお子さんが3歳を過ぎていたり、夫婦やパートナー間の接触による感染を防ぐことは非常に困難です。

次にできることは、虫歯や歯周病の原因となる細菌の量を抑えることです。
菌の量を抑える方法として有効的な方法が、毎日の正しい歯磨きによるセルフケア、定期検診やPMTCなどプロによるケアです。
正しい歯磨きって実は意外と大変で難しいんです。歯磨きの仕方、大丈夫でしょうか?

気になることがあれば、一度ご相談ください。
一緒に虫歯の原因菌や歯周病の原因菌から歯を守りましょう。

歯科医師 梶永

 カテゴリ:歯周病, 虫歯 and tagged , , , ,